この記事では、次にやることも、次の仕事も決まっていないけど仕事を辞めたいという50代の方に向けて、どのようにすればいいのかお伝えします。
結論からいうと、次の仕事を見つけるのは正直簡単にはいかずリスクが大きいのが現実です。
しかし、もう今の仕事が辛くて限界という状況であれば、退職するという道を選ぶことも必要です。 この記事を読めば、50代で辞めた場合のリスクと、辞めた後の生活についてどうしたらいいのかを解説していきます。
次を決めずに退職する50代のリスクは大きい
20代 | 30代 | 40代 | 50代 | |
男性 | 10.5% | 7.3% | 3.0% | 2.7% |
女性 | 7.8% | 6.2% | 4.8% | 4.4% |
先を決めずに退職した場合、生活する上の金銭面でリスクが大きくなります。 厚生労働省の令和3年上半期雇用動向調査結果によると、50代の転職入職率は平均で男性が2.7%、女性が4.4%となっています。 男性だと約20人に1人しか転職ができないということになります。
女性の数値が高いのですが、これは一般労働者にパートタイム労働者を含めて計算されているので、女性に関して言えば正社員として転職できた人はさらに少なくなっています。
50代向けの求人も少ない
また、50代向けの求人は、若手向けの求人と比較すると圧倒的に少なくなっているのも現実としてあります。
そのため、すぐに転職したくても、応募すらできないという状況も。
実際にハローワークや転職サイトの求人を見ると、35歳以下で年齢制限がされている会社が数多くあります。
厚生労働省の従業員を雇う場合のルールでは、求人募集や採用で年齢制限を設けることは原則禁止されていますが、長期的なキャリア形成を見込んでいるケースであれば、35歳以下で年齢制限をかけてもよいというルールがあるため、年齢制限をかけているところが多くなっています。
もちろん企業の中には、ミドルキャリアとして40、50代の人材がほしいというところもあるのですが、実績、マネジメント能力や資格がないと難しいのが現状です。
50代の転職が決まる期間は長期戦と考えた方がいい
1ヶ月以内 | 1~2ヶ月程度 | 3ヶ月程度 | 半年程度 | 1年程度 | 2年程度 | 3年以上 | |
30代 | 8% | 22% | 38% | 22% | 6% | 3% | 1% |
40代 | 8% | 16% | 27% | 32% | 10% | 2% | 5% |
50代 | 7% | 16% | 23% | 33% | 14% | 4% | 3% |
エン・ジャパン株式会社が実施した「転職期間についてのアンケート」によれば、50代の転職は若年層の転職と比べて長期化しやすくなっています。
仕事内容によっても変わってきますが、転職活動は半年から1年はかかると思っておいた方がいいでしょう。
もしこれからすぐに転職活動を始めるという方は、転職活動を少しでもスムーズに進めるためにも、50代のミドル世代にも強い転職エージェントに登録しておくことをおすすめします。
まずはご自身を守ることが大事!仕事を辞めるか、迷ったときの見極め方
退職しようか迷ったときは、まずはご自身の状況を整理してみましょう。
ストレスが溜まると、体に不調が出てきたり生活面でも支障をきたすことも。
ご自身の状態と向き合いながら、チェックしてみてください。
仕事に行くのが嫌で仕方がない
仕事が合わない、やっていて苦痛しかないと言う場合や、会社の空気が合わないと感じている場合は、さっさと辞めた方がいいです。
自分ひとりの努力だけでは解決できない悩みがある場合は、特にです。
仕事のことを考えただけで、気持ちがしんどいと言う場合は、ストレスが溜まっている状態です。
休日も暗い気持ちになってしまうようだと、私生活にも悪影響が出てきてしまっています。
常にイライラしてしまい、家族に優しく接することができない状態になっているなら、今の仕事は辞めた方がいいでしょう。
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寝れない、胃が痛いなどストレスが体に現れている
仕事のことを考えるとなかなか寝れない、出勤前になると胃が痛くなったり頭が痛くなる。
そんな症状があらわれている場合は、体が仕事に対して拒否反応を出してSOSを求めている状態です。
もし今何かしらの体調不良を感じているなら、スルーせずに向き合ってみてください。
調子が悪いまま仕事をすれば、いいパフォーマンスはできずミスを繰り返してしまうこともあります。
仕事を辞めたいと感じるぐらいの状況であれば、まずは一度ご自身のストレスを確認しましょう。
合わない環境に居続けるほど辛いことはなく、この先あなた自身が生きていることさえも辛いって思う可能性も高いです。
家庭があるならば、家族にも影響が出てしまいますので、我慢しないでください。
明らかなパワハラ、モラハラなどを受けている
職場は様々な価値観、状況の人が集まっています。
そのため一生懸命仕事をしていても、ちょっとしたきっかけで、いじめや嫌がらせの対象になってしまうことがあります。
最初はいじめも軽いことから始まりますが、いじめをする人は、放っておくと調子に乗りより陰湿になることもあります。
証拠を取って、上司や会社以外の組織に相談して戦うことも可能です。
しかしストレスを溜め続けたり労力をかけるよりは、環境を変えてご自身のストレスのない職場で働いた方が、楽になります。
退職後の生活が心配な方は国などのサポートを受けることも視野に入れましょう
辞めた後の生活が不安な「衣食住」は支援を受けることもできます。
1.退職後の住まいのサポート体制
持ち家ではない場合は、家賃の問題も出てきます。
退職した後に家賃が払えるかなど生活が不安な方は、ハローワークや、自治体から委託された支援機関に相談しましょう。
ハローワークは、仕事の紹介だけではなく住む場所が無くなってしまうという人に対しての支援もしてくれるんです。
市営団地や雇用促進住宅などを紹介してくれたり、就職活動をしながら家賃補助として「住居確保支援金」がもらえるという制度もあります。
特に「住居確保支援金」は、失業者が一定の条件を満たすこと、家賃相当額の一部や全部を支給してもらえる制度なので、まずは近くのハローワークや、自治体から委託された支援機関(自立相談支援機関)に相談しましょう。
>>全国のハローワークの連絡先はこちら
>>全国の自治体から委託された支援機関はこちら
退職社会保険給付金を申請する
生活費が心配という方は『社会保険給付金制度』を利用する方法もあります。
この国給付金制度は、18か月の傷病手当と、勤続年数に応じた失業手当、合計で最大28か月間、給付金、月給の約65%の給付金を受け取ることができる制度です。
傷病手当って『ケガや病気』をしないともらえないとイメージがありますが、実は仕事のストレスなども該当します。
条件
- 年齢が20歳~59歳
- 退職前の方、退職予定の方
- 退職日まで2週間以上あること
- 現時点で転職先が決まっていない
- 社会保険に1年以上加入している(派遣、パートも対象)
しかし、社会保険給付金の手続きが複雑となっていて、申請の手続きを間違えたりすると受給対象なのに、受け取れないということも可能性としてあります。
そうならないためにも、ご自身が社会保険給付金の受給対象かも含め、手続きを始める前にまずはweb上で詳しく聞いておきましょう。
SNS上には、社会保険給付金について口コミがありました
定年退職後、傷病手当金のおかげで1年時間もらえて自分の気持ちの変化にビックリです!
— 駿治@滋賀 (@syunji_muroya) August 16, 2022
仕事のことで頭いっぱいだったのが、メンクリの先生の勧めで自分史書いたりして、すっかり忘れていたはずのお世話になったひとへの感謝の気持ちが新たに湧き起ったりしました
もう数十年前のことなんですが...
27歳で公務員退職した俺が、仕事辞めたい人に伝えたいことがある。不安はお金と再就職出来ないかもしれないって不安だと思う。でも日本に生まれたなら社会保障がしっかりしてるから死ぬことは絶対ない。1年スキルを貯めればフリーランスで生きていくことは絶対できる。俺を信じろ。辞めていいぞ。
— たっつ|SNSコンサルタント (@tattu_enjoy) September 24, 2021
自分を守るための社会保障制度の存在と使い方も教えるべきです。例えば病気療養のために退職する友人に傷病手当金が1年半支給されるはずと教えたら「退職して健康保険の組合員でなくなるのに支給されるはずが無い」と怒られましたが実際申請したら出ました。知らないで申請しなければ出ません!
— Spica🐈消費税は廃止! (@spi_yasuko) February 21, 2018
仕事が合わないものは合わない!50代だから我慢する必要はありません
この記事では、次にやることも、次の仕事も決まっていないけど仕事を辞めたいという50代の方に向けて、どのようにすればいいのかお伝えしました。
50代で退職した場合、次の仕事を見つけるのは正直簡単にはいかずリスクが大きいのが現実です。 しかし、もう今の仕事が辛くて限界という状況であれば、退職するという道を選ぶこともご自身のために必要です。
50代というまだまだこれから活躍できるこの時期に、一度しっかりとご自身と向き合ってみることで、ご自身が輝ける仕事が見つけることができます。
しかし、転職はもちろんご自身に合った働き方を見つけるには時間が必要です。
生活を安定させながら、国の社会保険制度を利用すれば、退職後の生活の心配もありませんので、安心して次の道へ踏み出してください。