この記事では、人手不足だけど仕事を辞めたい、でも正社員だからいいにくいと悩む方のために、円満に退職できる方法についてお伝えします。
【人手不で退職を言い出しずらい場合の解決方法】
- 繁忙期であれば、時期をずらす
- 職場が人手不足で崩壊している状態であれば、退職代行を使う方法もある
- 引きとめられない退職理由を伝えて辞める
いずれにしろ、会社は人手不足でも法律的には辞めることは問題がありません。
この記事を読めば、万が一引き留めにあっても確実辞めることが出来ますので、よかったら参考にしてください。
人手不足すぎて辞めたい、正社員で言いにくい場合の3つの解決方法
冒頭でもお伝えしましたが、人手不足で辞めると言い出すのは、辞めた後の負担を考えるとなかなか言い出せないものです。
しかし、ご自身の人生ですので、ご自身が今の会社で限界を感じているのであれば、何とかして辞めた方がご自身のためです。
①:繁忙期であれば、時期をずらす
もし円満退社を望むのであれば、退職時期は繁忙期が落ち着いてから進めた方がいいでしょう。
というのも、繁忙期は、毎日ご自身も体も頭もごちゃごちゃな状態。
そんな状態の中で、退職準備や転職活動してしまうと、いい判断ができない可能性があります。
②:退職代行は、職場が人手不足で崩壊しているのであれば使う手もある
職場が人手不足で崩壊している状態で、辞めることを伝えた瞬間から、周りからの風当りが強くなったり、無責任と陰口を言われるかもしれません。
そんな不安があって、これ以上ストレスも受けたくないという場合は、退職代行を使う方法も考えてみましょう。
- 人手不足でも引き留められず、確実に辞めることができる
- 労働組合が、法律に則って退職手続きをしてくれるので、トラブルがない
- 周りからの冷たい目線や風当りを受けなくていい
- 自分で退職を伝える必要がないので、精神的なストレスがない
- 退職について相談ができる
退職代行は、あなたの代わりに法律に則って退職手続きを進めてくれるサービスで、最短で明日から会社に行かなくて済むようになります。
しかし、退職代行を使ったことを後悔するかもしれない、ちゃんと皆さんに挨拶をして辞めたいという気持ちがあるのであれば、正直おすすめしません。
- 人手不足って分かっているけど、このまま働いていたら心も体も壊れる
- 辞めたくても辞めさせてくれない
- 職場が人手不足で崩壊している
と感じている場合は、まず退職代行に相談だけでもしてみましょう。
労働組合が運営する退職代行サービスであれば、今のご自身の置かれた状況の相談にも乗ってくれますよ。
③:引きとめられない退職理由を伝えて辞める
対処方法の1つ目は、引き止められない退職理由を伝えることです。
円満退社をするためには、本音を伝えることが必ずしも正解であるとは言えません。
というのも、本当の理由を伝えてしまうと、印象が悪くなることもちろんですが、引き止められる可能性が非常に高くなります。
そのため、人手不足の中で退職する場合は、嘘をつくとまではいかなくとも、建前が必要になることもあります。
今の会社では実現できないことや、勤続するのが難しいことを具体的に伝えるのがポイントです。
- 親の介護や病気
- 結婚して引っ越しが必要
- 親戚の家業をしばらく手伝わないといけなくなった ⇒おすすめ
「親の介護や病気」や「結婚して引っ越しする」という場合は、退職した後に、前の会社の人と合ってしまう場合があるので、注意が必要です。
いい理由がなかなか見つからないという場合は、「親戚の家業をしばらく手伝わないといけなくなった」といって辞めるという理由がおすすめです。
観光地やリゾート地では、短期バイトなどを募集しています。
私の知り合いが実際にその方法で辞めたのですが
- 辞めても会社の人としばらく会う心配がない
- 寮完備で食事付きのところが多い
- リゾートバイトをした後に失業保険を受給する
仕事が終われば、リゾート地でのんびりリフレッシュできる特権もあるので、どうしても円満退社したいという方は、親戚の家業を手伝うという理由で退職を伝えてみましょう。
我慢して働き続けた場合のリスク
もし退職を言い出せず、人手不足の環境で仕事をし続けた場合、あなたの体調や環境にとってよくないことが起こってきます。
長時間労働が続く可能性が高い
人手不足が続くと、通常の業務に加えて他の業務をする必要が出てきます。
そうなってしまうと定時までに仕事を終えることができず、残業をして仕事をせざるを得ない状況になります。
日常生活では、帰宅時間も遅くなり、睡眠不足や食欲不振などにみまわれ、最悪過労死ラインに達する可能性もあります。
過労死ラインの目安となる時間は、80時間(月に20日出勤とすると、1日4時間以上の残業・12時間労働)と言われています。
引用:人事のミカタ
長時間勤務は、命に関わるといっても過言ではありません。
休みが取りずらくなる
人手不足になると、休日出勤をしないと業務が追い付かないとこともあります。
また有給休暇はもちろん、体調が悪くても休みも取りずらくなる可能性が高くなります。
休みが取れないと過労で心身の不調が出たり、プライベートの時間も削られてしまいます。
社内の人間関係が悪くなる
人手不足の職場で働いていると、それぞれの余裕がなくなってしまう状況になっているので、ピリピリした雰囲気になってしまいます。
ちょっとしたミスでも許すことができず、イライラして態度に出てしまう人も出てきます。
そうなってしまうと、スタッフ同士で衝突も起こりやすくなり、精神的にもボロボロになってしまう可能性が高いです。
退職者が増えさらに辞めずらくなる
人手不足の職場は、優秀な人ほど、自分にリスクのある状態を避けるために、すぐに辞めて次のの職場を探していきます。
また、人手不足で体調不良や、精神面でもボロボロになり辞めていく人もでてきます。
あなたが、責任感が強く、また周りに気を遣いすぎて辞めない状態が続くと、今よりももっと人手不足の状態になるので、どんどん辞めずらくなってしまいます。
人手不足はあなたのせいではない、自分のことだけ考えよう
人手不足になっている原因は、あなたの責任ではありません。
しかし、そうは言っても「私が辞めたらこの業務は誰がやってくれるんだろう」「周りの人の負担になって迷惑を掛けるかもしれない」と考えてしまいがちです。
もしかしたら、あなた自身も、先に辞めた人の分の業務があなたに回ってきてしまい、大変な思いをした経験があるからこそ、申し訳ないという気持ちになってしまうかもしれません。
しかし、会社のことや周りの人のことを優先して我慢して働き続けると、いつまでも辞められない状況になってしまいます。
あなたが辞めた後のことは、会社が考えるので、あなた自身の気持ちを最優先してください。
【補足】退職拒否をされた場合の対処方法
法律的に人手不足で辞めるのは問題がないとお伝えしましたが、人手不足なので、実際に退職の意思を伝えても、なかなか退職させてくれない、退職拒否されるケースも少なくありません。
しかし、仕事を辞めたいのに、会社が退職を認めてくれないという場合、「在職強要」と言って法律違反になってしまいます。
労働基準法 第5条
使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。
出典:Wikibooks
労働基準法第5条に違反した場合は、使用者である会社は1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金に処されることもあるんです。
ここでは、退職拒否された場合の対処方法についてケースごとにお伝えしますので、確認してみてください。
ケース⓵:後任が見つかるまで退職を認めないと言われたら?
退職させてくださいと言っても、「後任が見つかるまで、引継ぎが終わるまで退職は許さない」と言われるケースがあります。
後任が見つかるかどうかは会社の問題であり、あなたの責任ではありません。
退職の意思表示は、次のようにするとよいでしょう。
・直属の上司や人事にメールを送る
・退職届を内容証明郵便で会社に送る
上記の方法は、客観的な証拠にもなりますので、形に残すようにしましょう。
もし会社から「退職することなんて聞いていない」等と主張されたとしても、退職の意思表示をしたなによりの証拠になるのです。
ケース②:損害賠償を請求すると言われたら?
退職を理由に『損害賠償を請求する』と言われた場合、雇用契約書等で違約金の請求に関する規定がない場合は、損害賠償の請求は認められません。
労働基準法第16条では以下のように定められています。
労働基準法16条(賠償予定の禁止)
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
引用:e-GOV
そのため、退職する権利が法律で認めらえれているのに、退職するからとという理由で、違約金や損害賠償を請求することは法律違反となりますので、損害賠償を求められることはないでしょう。
ケース③:退職届を受け取ってもらえない場合は?
退職したいと言っても、「また後日ゆっくり話そう」などと言って退職させないために、退職届の受け取りをしてくれない場合があります。
法律では「退職の意思を伝えた後、2週間を経過すれば退職出来る」となっているのですが、退職の意思を伝える手段については定められていません。
会社に退職届を受け取ってもらえなくても、口頭で退職の意思を伝えていれば退職することは可能となっています。
しかし、「言った言わない」などとトラブルになる場合もありますので、内容証明郵便で退職届を会社に送る、メールで退職の意思を伝えておくようにしましょう。
ケース④:希望する退職日に退職させてくれない場合は?
人手不足の場合、希望する退職日を言っても、受け入れてくれず、希望する日よりもほど遠い日を指定してくるケースもあります。
その場合でも、会社の希望日に退職する義務はありません。
法律でも「退職の意思を伝えれば2週間で辞められる」とありますので、続けることは難しいと伝え、早めに退職出来るよう交渉をしていきましょう。
ケース⑤:待遇の不満を言ったら改善するからと引き留められた場合は?
給料が安い、勤務時間が時間が長いという不満を伝えた場合、「考えるので続けてほしい」と言われる場合があります。
しかし、考えると言っても、実はその場しのぎで、いつまでたっても改善されないケースもあります。
もし「考える」と言われた場合は、具体的な改善策を出してくるのか、本当に改善するのか見極めることが大事です。
改善が見られないなと思ったら、そのまま退職手続きを進めましょう。
ケース⑥:給与を支払わないと脅された場合は?
「今、辞められると会社が迷惑するから、残りの給与は支払わない」と言って、辞めることを断念させるケースがあります。
働いた分の賃金を支払うのは会社の義務ですので、その言葉は無視して、退職後にしっかりと未払い分の賃金を会社に請求しましょう。
- シフト表(勤怠のデータ)
- 業務日報のコピー
- 給与明細書
- 雇用契約書などの資料
などを手元に集め、退職後に請求する準備をしておきましょう。
この記事のまとめ
この記事では、人手不足だけど仕事を辞めたい、でも正社員だからいいにくいと悩む方のために、円満に退職できる方法についてお伝えしました。
【人手不で退職を言い出しずらい場合の解決方法】
- 繁忙期であれば、時期をずらす
- 職場が人手不足で崩壊している状態であれば、退職代行を使う方法もある
- 引きとめられない退職理由を伝えて辞める
辞めたいと言い出した時に、退職拒否をされると辛い気持ちは分かりますが、バックレだけは避けましょう。
あなたが急に退職して仕事を放棄したことにより、会社の売上に影響が出てしまった場合は、損害賠償に発展してしまう可能性があります。
また、バックレることで、あなたの身に何かが起こったと思い、自宅に来たり、警察に捜索願を出したり、家族に連絡したりということにも発展してしまいます。
あなたを守るため、また周囲にも迷惑をかけないためにも、
など、法律に則って退職手続きを進めるようにしましょう