この記事では、退職したいけど人手不足で、退職拒否や引きとめにあうのが心配な方に向けて、スムーズに辞められる方法についてお伝えします。
【退職拒否にあってもスムーズに辞める方法まとめ】
人手不足の中退職することは法律的に問題ない。
結論から言うと、「人手不足なのに辞めるなんて無責任ではないか」と上司かや周りから言われる可能性はありますが、法律的には全く問題なく辞めることができるので安心してください。
この記事を読めば、退職拒否ということを回避でき、すっきりとした気持ちで将来に進むことができますので、参考にしてください。
もし人手不足で退職拒否をされた場合の5つの対処方法
人手不足の場合、実際に退職の意思を伝えても、何とかしてうまく退職を止めようとしてくることもあります。
ここでは、退職を先延ばしされそうになった時に、どのように対応したらいいかケースごとにお伝えしますので、確認してみてください。
ケース⓵:後任が見つかるまで退職を認めないと言われたら?
退職させてくださいと言っても、「後任が見つかって引継ぎが終わるまで退職は許さない」と言われるケースがあります。
そして「また後日ゆっくり話そう」などと言って、退職届の受け取りをしてくれない場合があります。
これは、辞めるのを引き延ばす、時間をかけてあなたに考え直させるなど目的があります。
後任が見つかるかどうかは会社の問題であり、あなたの責任ではありません。
その場合は、退職の意思表示を、形に残すようにしてください。
直属の上司や人事にメールを送る
退職届を内容証明郵便で会社に送る
もし会社から「退職することなんて聞いていない」と主張された場合でも、退職の意思表示として形に残っているので、そのようなトラブルを避けることができます。
断固として退職を許してくれない場合でこれ以上会社とゴタゴタ起こすのも疲れるという方は、「退職代行サービス」を使う方法もあります。
ケース②:損害賠償を請求すると言われたら?
退職を理由に『損害賠償を請求する』と言われた場合、雇用契約書等で違約金の請求に関する規定がない場合は、会社があなたに損害賠償の請求することは認められません。
労働基準法第16条では以下のように定められています。
労働基準法16条(賠償予定の禁止)
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
引用:e-GOV
労働基準法では、労働者の退職の自由が保証されています。
退職する権利が法律で認められているのに、退職するからとという理由で、違約金や損害賠償を請求することは法律違反となります。
損害賠償を求められることはないので、仮にそのようなことを言われても、あまり気にすることはありません。
ケース③:希望する退職日に退職させてくれない場合は?
人手不足の場合、希望する退職日を言っても、受け入れてくれず、希望する日よりもほど遠い日を指定してくるケースもあります。
また、次の仕事が決まっているのに「虫がよすぎる!」などと言って辞めさせてくれないという場合もあります。
その場合でも、会社の希望日に退職する必要も義務もありません。
法律でも「退職の意思を伝えれば2週間で辞められる」と書いています。
会社が指定した日まで続けることは難しいと伝え、早めに退職出来るよう交渉をしていきましょう。
ケース④:待遇を改善するからと引き留められた場合は?
あなたが退職の理由を聞かれた時に
- 給料が安い
- 勤務時間が時間が長い
など上司に不満を伝えた場合、「考えるので続けてほしい」と言われる場合があります。
もし「考える」と言われた場合は、具体的な改善策を出してくるのか、本当に改善するのか見極めることが大事です。
しかし考えると言っても、実際はその場しのぎで、いつまでたっても改善されないケースもあります。
ご自身が待遇が改善されさえすれば働いてもいいと思っている場合は、交渉することも可能です。
しかし、待遇以外にも不満があるのであれば、退職の理由は「他にやりたいことが見つかった」など無難な理由にして、退職手続きを進めた方がいいでしょう。
ケース⑤:給与を支払わないと脅された場合は?
「今、辞められると会社が迷惑するから、残りの給与は支払わない」と言って、辞めることを断念させるケースがあります。
あなたが働いた分の賃金を支払うのは会社の義務です。
その言葉は無視して、退職後にしっかりと未払い分の賃金を会社に請求しましょう。
- シフト表(勤怠のデータ)
- 業務日報のコピー
- 給与明細書
- 雇用契約書などの資料
などを手元に集め、退職後に請求する準備をしておきましょう。
【重要】人手不足でも退職することは法律的に問題はありません!
民法627条1項
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
引用:Wiki books
冒頭でもお伝えしましたが、法律では、「人手不足の会社を辞めても一切問題ない」ということが書かれています。
雇用期間を定めない労働者というのは、正社員やアルバイト等のことです。
労働者は「退職を申請して2週間経過すれば退職できる」書いているので、最低でも2週間前に退職したいと言えば、会社を辞めることができます。
確かに、民法ではそれについて何も触れられていません。
実は別の法律、労働基準法で、会社側は「退職を止める権利は一切存在しない」ということが書かれています。
労働基準法 第5条
使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。
出典:Wikibooks
仕事を辞めたいのに、会社が退職を認めないという方が問題で、もし退職を認めない場合「在職強要」と言って法律違反になってしまいます。
会社は1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金に処されることもあるんです。
もしあなたが退職を伝えた時に
- 辞めさせてくれない
- 退職の引き延ばしをされる
といった「在職強要」があった場合は、 会社の管轄の「労働基準監督署(労基)」へ相談することもできます。
ですので、法律的にはあなたが人手不足の中辞めることが無責任ということは一切書かれていませんし、会社もあなたを強制的に引き留める権利はありません。
退職拒否をされたからといってバックレは止めたほうがいい
退職拒否や引きとめにあうと、ストレスも溜まり辛い気持ちになります。
しかし、バックレていなくなることだけは避けましょう。
というのも、退職時に損害賠償はないとお伝えしましたが、これは法に則って退職手続きをした時の場合。
バックレて辞めた場合は例外です。
あなたが急に退職して仕事を放棄したことによって会社の売上に影響が出てしまった場合、損害賠償に発展してしまう可能性があります。
またバックレることで、会社はあなたの身に何かが起こったと思います。
- 見つかるまで自宅に上司が来る
- LINEや電話がひっきりなしに鳴る
- 警察に捜索願を出す
- あなたの家族に連絡
色んな手段を使って、見つかるまであなたを探します。
あなたを守るため、また周囲にも迷惑をかけないためにも、法律に則って退職手続きを進めるようにしましょう。
人手不足での退職を無責任と感じる必要はないので堂々と辞めましょう!
退職拒否された場合の対処方法についてお伝えしましたが、会社はあの手この手を使ってあなたを引き留めようとしてきます。
しかし、人手不足での退職を無責任と感じる必要は全くありません!
そうは言っても、退職日まで周りからの風当りが強くなったり、無責任と言われるかもしれません。
そんな環境で、これ以上辛い思いをしながら働きたくない場合は、労働組合の退職代行サービスに相談するのを強くおすすめします。
- 労働組合を使っての退職は、法律違反ではないのでトラブルがない
- 確実に退職できるので、引き留められる心配がない
- 自分で退職を伝える必要がないので、精神的なストレスがない
- 周りからの風当りを受けなくて済む
- 家に押しかけてくることもないし、上司ともう話す必要がない
労働組合の退職代行サービスを使って退職する方法は、電話やLINEで相談して辞める意思を伝えるだけです。
相談して退職すると決まれば、あとは労働組合の退職サービスの担当者が、法律に則って全ての退職手続きをあなたの代わりに行ってくれます。
『人手不足って分かっているけど、このまま働いていたら心も体も壊れる』、『辞めたくても辞めさせてくれない』と感じている場合は、一人で悩まず労働組合の退職サービスに相談してみましょう。
この記事のまとめ
退職することは、権利として認められています。
人手不足の中退職しようとすると、会社の勝手は考えで何とかして辞めさせるものかと退職拒否される場合がほとんどです。
会社の退職拒否に負けてしまってずるずる勤務していると、心身的にもボロボロになるだけでなく、いつまでも今の会社に居続けることになります。
自分ひとりでは、退職拒否や風当りに耐えならない場合でも、労働組合運営の退職サービスに味方になってくれることで、これ以上のストレスを抱えることなくスッキリと辞めることができるようになります。